座屈荷重係数(Buckling Load Factor)
座屈荷重係数(BLF)は座屈に対する安全率であり、設定した荷重の座屈に対する比です。 次の表では、BLF 値の例を挙げ、それぞれの意味を説明します。
BLF 値(安全率) |
座屈状態 |
注記 |
1 < BLF |
座屈は起きません。 |
設定荷重が評価基準荷重(座屈荷重)より小さい状態です。 座屈発生は予想されません。 |
0 < BLF < 1 |
座屈が起きます。 |
設定荷重が評価基準荷重(座屈荷重)より大きい状態です。 座屈発生が予想されます。 |
BLF = 1 |
座屈が起きます。 |
設定荷重が評価基準荷重(座屈荷重)と等しい状態です。 座屈発生が予想されます。 |
BLF = -1 |
座屈は起きません。 |
設定した荷重の方向を反対に設定すると、座屈発生が予想されます。 例えば、棒が引張荷重下にある場合、BLFは負になります。 棒は座屈しません。 |
-1 < BLF < 0 |
座屈は起きません。 |
設定した荷重の方向を反対に設定すると、座屈発生が予想されます。 |
BLF < -1 |
座屈は起きません。 |
設定した荷重の方向を反対に設定しても、座屈発生は予想されません。 |
一般に、構造体は正と負の両方の座屈係数を持ちます。 例えば、柱で支えられた内部圧力を持つ円筒容器を想像してください。 容器が引張りの状態にあるとき、座屈は決して発生しないでしょう。しかし、容器が圧縮下にあるときは、柱は座屈するかもしれません。
座屈荷重を計算する(Calculating Buckling Loads)
あるモードでの座屈荷重を計算するためには、設定した全ての荷重に BLF を掛けます。 例えば次のような荷重をかけた場合:
面 1 に 500 lbs
面 2 、3 にそれぞれ 250 psi
および、モード 1 の座屈加重係数(安全率)が 2.3 と算出された場合、次の加重を掛けるとモード 1 の座屈が起こります。
関連トピック
線形座屈解析(Linearized Buckling Analysis)
座屈解析の実行(Performing Buckling Analysis)
座屈解析での熱効果の考慮(Thermal Effects for Buckling Studies)