塑性 von Mises モデル（Plasticity von Mises Model）

降伏基準は、次の形で記述できます：

ここで s は有効応力、sY は単軸試験の降伏応力です。 von Misesモデルは、金属の動作を記述するために使用できます。 この材料モデルを使用するにあたり、次の重要な事柄に注意してください：

• 微小変位あるいは大変位が使用される場合、塑性ひずみは小さく仮定されます。

• 関連する流れ則が仮定されます。

• 等方性および移動硬化則のどちらも使用できます。 等方性あるいは運動学硬化則の線形の組み合わせは、偏差空間の半径と降伏サーフェスの両方が、荷重の履歴に関して変化することができるとき、設定されます。

パラメータ RK は等方硬化性および運動学的硬化則の大きさを定義します。

純等方硬化性では、パラメータ RK は値 0 を持ちます。 降伏サーフェスの半径は拡大されますが、その中心は偏差空間で固定されたままです。

純移動硬化則では、パラメータ RK は値 1 を持ちます。 降伏サーフェスの半径は、その中心は偏差空間で移動される間、一定に保たれます。

• 双線形あるいは可塑性のための多線形の一軸応力-ひずみ曲線を入力できます。 双線形応力-ひずみ曲線の定義では、材料特性 SIGYLDおよびETANを材料（Material）ダイアログボックスに入力します。 多線形の応力-ひずみ曲線の定義では、応力-ひずみ曲線を定義する必要があります。

• 応力-ひずみ曲線を定義する場合、曲線の第1点は材料の降伏点としてください。 弾性係数（EX）、降伏強さ（SIGYLD）などの材料特性は、材料（Material）ダイアログ ボックスにある材料特性テーブルではなく、利用可能な応力-ひずみ曲線から取得されます。 ただし、ポアソン比（NUXY）のみがテーブルから取得されます。

応力-ひずみ曲線の定義は、落下試験スタディではサポートされていません。

• 熱可塑性解析を実行するために、双線形応力-ひずみ曲線を記述するSIGYLDおよびETANパラメータを温度曲線と関連付けることもできます。

• NR（ニュートン･ラプソン法）反復法を使用することをお勧めします。

Huber-von Mises モデルは、固体（1次オーダー要素および2次オーダー要素）および厚肉シェル（1次オーダー要素および2次オーダー要素）を使用できます。

熱弾塑性は、シェル要素では使用できません。

下図は、弾塑性材料の典型的な応力-ひずみ曲線を表したものです：

大歪み解析（Large Strain Analysis）

大歪み可塑性理論では、対数歪み測度は次のように定義されます：

ここで Uは一般に変形勾配 F（すなわち、F = R U、Rは回転テンソル）の右極分解から取得される右伸張テンソルです。 増分の対数歪みは、次のように予測されます：

ここでB(n+1/2)は解析ステップn+1/2で予測されたひずみ-変位マトリックス、そしてDuは増分変位ベクトルです。 上記は、正しい式に対する2番目の近似であることに注意してください。

構成モデルをフレーム不変あるいは客観的にたもつため、応力比率はGreen-Naghdi比率として取得されます。 応力比率を全体座標系から R座標系に変換することにより、

全構成モデルは、微小ひずみ理論と同じ形となります。 大歪み塑性理論は、von Mises 降伏規準、関連フロー規則、等方性あるいは運動学硬化則（双線形あるいは多線形）に適用されます。 材料特性の温度依存は、双線形硬化によってサポートされています。 この事例では、radial-return アルゴリズムが使用されています。 基本的な概念は、垂直ベクトル N を次により近似化することです：

ここで、

下図は、上記の2つの等式を図解するものです。

要素力ベクトルおよび剛性マトリックスは、最新の Lagrangian 方程式に基づいて算出されます。 Cauchy 応力、対数歪み、現在の厚み（シェル要素のみ）は出力ファイルに記録されます。

現在の事例の弾性は、微小の弾性ひずみを仮定するが、大きな弾塑性ひずみを任意で使用できるようにする超弾性形式でモデル化されています。 ゴムのように弾性のひずみが大きい場合は、Mooney-Rivlinなどの超弾性材料モデルを使用できます。

多線形応力-ひずみ曲線の定義では、Cauchy（真）応力および対数ひずみを使用してください。

可塑性のための Tresca および von Mises 規準の比較（Comparison of Tresca and von Mises Criteria for Plasticity）