SN カーブ(SN Curve)
疲労解析スタディ
(fatigue study)で使用する SN カーブを定義します。材料に対する SN カーブでは、交番応力値に対して、与えられた応力比における破壊の発生に必要なサイクル数が定義されています。一般的な S-N カーブを図に示します。Y 軸は交番応力(S)を示し、X 軸は、サイクル数(N)を示します。SN カーブは、応力比または平均応力に基づいています。材料の応力比が異なる場合は、SN カーブを複数定義することができます。ソフトウェアでは、材料に対して複数の SN カーブを定義する場合、線形補間を用いたデータ抽出を行います。
SN カーブは、平均の疲労寿命か、特定の破壊確率に基づいています。材料の SN カーブを作成するには、交番応力、平均応力(あるいは応力比)を統計的に変更して、サイクル数をカウントする試験を多く実行する必要があります。
SN カーブを作成する試験は、荷重が制御された環境下で実行されます。一般的に、単軸の荷重が使用されます。通常、実際の荷重環境は複数軸であるため、修正が必要になる可能性があります。ソフトウェアでは、この不一致を考慮するため、耐疲労性低減率(Fatigue strength reduction factor)を疲労プロパティ内に用意しています。
応力比 -1(完全可逆またはゼロ平均)による SN カーブが材料の疲労解析プロパティ定義に使用された場合は、補正手法を選択して非ゼロ平均応力の効果を考慮することが可能です。

通常、N ではなく、N の 10 を底とする対数が使用されます。これは、N 値の範囲は一般的に広いためです。
疲労解析 SN カーブを定義する(Defining fatigue SN curves)
疲労イベントを定義した後、SN カーブは疲労スタディで定義されます。SN カーブを定義することができます:
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材料(Material)ダイアログで疲労解析 SN カーブ(Fatigue SN Curves)タブをクリックします。
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ドキュメントアイコンの一番上を右クリックし、関数カーブの定義(Define Function Curves)を選択します。
新規の SN カーブを作成するには
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疲労スタディで、疲労イベントを追加します。
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材料(Material)ダイアログで、疲労解析 SN カーブ(Fatigue SN Curves) タブのソース(Source)ボックスで次を行います:
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補間(Interpolate)で、交番応力 のS-Nカーブのサイクル数に対する補間スキームを設定します。
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定義を選択し、メニューに現れるカーブを 10 本のカーブから選択します。
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テーブル データ(Table data)で、以下を行ないます。
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応力比
ボックスで、カーブに関連した応力比を入力します。
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応力に使用する単位を設定します。
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代替応力(Alternating Stress)値とそれに対するサイクル(Cycle)数を入力して、カーブ データを作成するか、ファイル(File)をクリックして、カーブ データ ポイント ファイル(Curve Data Points File) (*.dat)をインポートします。
注意: 新規の行を追加するには、点(Point)列の下のセルをダブルクリックします。
Curve Data Points File (*.dat) で2列のコラムが必要です:サイクル数(最初の列)と交番応力(2個目の列)。
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表示(View)をクリックしてデータを表示したり、保存(Save)をクリックしてカーブをライブラリに保存することができます。
定義に合わせてプレビュー(Preview)ボックスが表示されます。
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行を削除するには、行を選択した状態で、Deleteキー押すか右クリックして削除(Delete)を選択します。
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SN カーブ データの参照のソースをソース(Source)に入力します。
材料に対して SN カーブを定義するには:
材料ライブラリの中には、SN曲線が定義されているものもあります。これらの材料はリスト ボックスに表示される名前の末尾に (SN) が付いています。応力-ひずみカーブを持つ材料には (SS)、SNカーブと応力-ひずみカーブを両方持つ材料には (SS,SN) がついています。
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材料(Material)ダイアログで、疲労解析 SN カーブ(Fatigue SN Curves) タブのソース(Source)ボックスで次を行います:
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補間のためのSNカーブのサイクル数に対する補間交番応力 のスキームを設定します。
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材料の弾性係数から作成を選択し、ASME オーステナイトステンレス鋼曲線に基づくまたはASME 炭素鋼曲線に基づくを選択します。
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適用をクリックします。
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