梁要素は曲げ、せん断、ねじり荷重に対し抵抗できます。以下に示すような典型的なフレームは、荷重を支柱に転送する梁要素でモデル化されています。このようなフレームをトラス要素でモデルすることはできません。適用される水平荷重を支柱に転送するメカニズムがないためです。
梁要素では慣性モーメント、中立軸、最外皮から中立軸への距離等を計算するために正確な断面が必要となります。応力は断面の中と、梁に沿って変化します。
断面領域(A)と関連づけられたメッシュを持つ 3D 梁を考慮してください。梁の要素は、実際の梁のジオメトリ上か、実際の梁の断面形状とは関係なく空洞の円筒で表されます。
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3D ジオメトリ
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円筒上のメッシュ (それぞれの空洞の円柱は要素です)
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梁のジオメトリでのメッシュ
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下の図は、梁要素に沿った小さなセグメントに単純化された2D荷重をかけた場合を表します(軸力 P、せん断力 V、曲げモーメント M):
一般に、3つの荷重と3つのモーメントがこのセグメントに作用します。
均一な軸応力 = P/A (トラス要素同様)
均一なせん断応力 = V/A
曲げモーメントMは、中立軸からの垂直距離 y に従って線形に変化する曲げ応力を引き起こします。
曲げ応力(y方向の曲げ) = My/I
ここで、I は中立軸に対する断面二次モーメントです。
曲げ応力は最外皮で最も大きくなります。この例では、最も大きな圧縮が上側最外皮で発生し、最も大きな引張が下側最外皮で発生します。
ジョイント
ジョイントは、全ての鋼材レイアウトの自由端、あるいは2つ以上の鋼材レイアウトの交点に存在します。ジョイント編集(Edit Joint)PropertyManager はジョイントを適切に定義するためのツールを提供するものです。節点は各ジョイントを構成する鋼材レイアウトの断面の中心に配置されます。トリミングや各鋼材レイアウトに対する異なる断面の使用により、ジョイントと関連した鋼材レイアウトの節点は重なり合いません。プログラムは、ジオメトリおよび材料特性に基づいて、剛結合をシミュレートするための特殊な要素をジョイントの近くに作成します。
材料特性(Material Properties)
弾性係数、ポアソン比は常に必要です。
密度は、重力荷重を考慮する場合にのみ必要です。
拘束条件
拘束はジョイントにのみ適用することが可能です。各ジョイントには6つの自由度が存在します。ゼロあるいは非ゼロの強制移動および回転を適用することもできます。
ボンド
梁のスタディでは梁と梁のジョイントを固体とシェル面にボンドすることができます。
サーフェス、または板金の面で、接触する鋼材レイアウト間のボンドは自動的に作成されます。
カーブ サーフェスの梁補剛材(Beam Stiffeners for Curved Surfaces)
シェルあるいは板金ボディの曲面に補強材となる(真直ぐな、または曲った)梁をボンドさせることができます。
ソフトウェアは自動的に接触ジオメトリを持つか、あるいは合理的なクリアランスで配置されている曲面に梁をボンドします。プログラムは、サーフェス メッシュ サイズを持つ梁要素サイズを使用します。フィーチャーは、静解析スタディ、固有値解析スタディおよび座屈解析スタディで使用できます。
ロード
次を適用できます。
- 集中荷重およびモーメントをジョイントと参照点に適用。動解析スタディの場合、時間依存の荷重または固有値依存の荷重を適用できます。
- 梁の長さに沿って分布荷重を適用。
- 自重荷重の適用。プログラムは、指定された加速度および密度に基づいて重力荷重を計算します。
- 動解析スタディに対する一様地盤振動または選択地盤振動。
- 動解析スタディに対する初期条件初期変位、速度または加速度 (時間 t=0 において) をジョイントまたは梁セグメントに適用します。
メッシュ
鋼材レイアウトは梁として自動的に認識され、梁の要素で自動的にメッシュされます。 メッシュを作成後、異なる数の要素または選択した梁の要素サイズを指定するために、メッシュ コントロールを適用できます。
梁の要素とトラス要素は、実際の梁のジオメトリ上か、実際の梁の断面形状とは関係なく空洞の円筒で表されます。
結果
各要素に対する結果が各ローカル方向に対して表示されます。均一な軸応力、ねじり、2 つの直交方向 (方向 1 と方向 2) に対する曲げ応力、軸応力と曲げ応力を組み合わせることにより生成された最外皮での最大応力を確認できます。
梁の断面には下図のように軸荷重 P および M1、M2 のモーメントがかかります。モーメント M1 は dir 1 軸に、モーメント M2は dir 2 軸に関するモーメントです。
オプション梁プロファイルのレンダリング(Render beam profile)(応力プロット PropertyManager)を選択すると、ソフトウェアが断面の平面内で変化する応力を計算します。 応力は各メッシュ要素の両端で計算され、梁のニュートラル軸からの距離が変化する断面のポイントでも計算されます。
オプション梁プロファイルのレンダリングが作成されると、ソフトウェアは各梁の端の最外皮での応力値を計算します。また、個々の梁セグメンについて最も大きい応力値がレポートされます。
軸(Axial) |
均一な軸応力 = P/A
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方向 1 での上限値の曲げ |
モーメント M1 による最大曲げ応力(プロット名、タイトル、および凡例における曲げ Ms/Ss(Bending Ms/Ss))。 |
方向 2 での上限値の曲げ |
モーメント M2 による最大曲げ応力(プロット名、タイトル、および凡例における曲げ Mt/St(Bending Mt/St))。 |
上限軸および曲げ |
一様軸応力と、M1、M2 による 2 つの曲げ応力を組み合わせて、断面の最外皮における最大応力を計算します。これは、確認すべき応力として推奨されます。応力値は個々のメッシュ要素の両端で計算されます。
P/ A + [(M1* I22 + M2 * I12) * y1 + ( M2 * I11 + M1 * I21) * y2)] / (I22 * I11 - I12^2)
ここで I ij (i = j = 1 または 2) は個々のローカル直交梁方向 1 と 2 に対する断面二次モーメントです。
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