モーダル時刻歴解析

それぞれの荷重の時間による変動が明示的に分かっており、時間の関数としての応答に興味がある場合には、モーダル時刻歴解析を使用します。

一般的な荷重には以下が含まれます:

  • 衝撃(パルス)荷重
  • 一般的な時間依存性荷重(周期性または非周期性)
  • 一様地盤振動(すべての支持に適用される変位、速度、あるいは加速度)
  • 選択地盤振動(選択された支持に不均等に適用される変位、速度、あるいは加速度)
  • 初期状態(部品またはモデル全体に t =0 時間で適用される有限変位、速度、あるいは加速度)

多自由度系における運動方程式の解にはモーダル解析のテクニックが組み込まれます。

解の精度を向上するには時間ステップを小さくします。

スタディの実行後は、異なる時間ステップの変位、応力、ひずみ、反力等を確認することが可能です。 また、指定箇所 vs 時間の結果をグラフ化することも可能です。結果オプションで指定箇所が定義されていない場合は、すべての節点における結果が保存されます。

モーダル時刻歴解析では、モーダル、Rayleigh、複合モーダル、集中減衰を使用できます。

解析方法 - モーダル時刻歴(Analysis Procedure - Modal Time History)

時変荷重によって動く線形 n-自由度系システムの運動方程式は次のようになります:

(関係式 1)

ここで、

[M] = n x n 対称慣性マトリックス

[C] = n x n 対称減衰マトリックス

[C] = n x n 対称剛性マトリックス

{f(t)} = n-次力ベクトル

{u}、 はそれぞれ変異、速度、加速度(n 次ベクトル)です。

(関係式 1) は一定係数を持つ n 連立常微分方程式です。運動方程式は質量、剛性、減衰を介して結合されています。結合は、運動方程式を数学的に記述するために使用した座標系に依存します。

モーダル解析の基本的概念は、(関係式 1)の結合されたシステムをモーダル行列 [Φ] を変換行列として使用し、一組の独立した方程式に変換することにあります。[Φ] にはノーマル モード {f}i が i = 1, ....,n のために含まれ、次のように配列されます:

(関係式 2)

ノーマルモードとシステムの固有値は固有値問題の解から導かれます:

(関係式 3)

ここで [ω2] は固有振動数の二乗の対角行列です。

線形システムでは、n 運動方程式システムをモーダル変位ベクトル {x} を使用して結合解除し n-1自由度方程式にできます:

(関係式 4)

ベクトル {u}(関係式 4)を置き換え、[Φ]T(関係式 1)で事前乗算すると次のようになります:

(関係式 5)

ノーマル モードが直交性プロパティを満たし、モーダル行列 [Φ] が正常化され次の式を満たします:

(関係式 6)

(関係式 7) と

(関係式 8)

(関係式.6--8) を置き換えると、(関係式 5) が n 独立 SDOF 二次の微分方程式になります:

for i =1, ..., n(関係式 9)

(関係式 9)は Wilson-Theta や Newmark などの段階的な積分法で解くことができます。

積分法は時間領域内(最後のステップの結果が次のステップの予測に使用されます)で実行されます。

システムの変位ベクトル (u) は (関係式 4) から導かれます。

モーダル時刻歴解析 - 詳細設定オプション(Modal Time History Analysis - Advanced Options)

モーダル時刻歴(Modal Time History)ダイアログ ボックスの詳細設定(Advanced)タブで数値積分法とそのパラメータを設定します。

Newmark 動きの非連結方程式は、Newmark 時間-ステップ法で解析されます。

時間-ステップ間の加速度の線形のバリエーションは、次を選択します:

  • 1番目の積分パラメータ a =0.5
  • 2番目の積分パラメータ beta = 1/6

時間-ステップ間の一定加速度は、次を選択します:

  • a = 0.5 、beta =0.25
Wilson-Theta 積分の Wilson-Theta 法は、動きの非連結方程式で使用されます。

シータ。シータ (theta) 値は数の安定性をコントロールします

シータ = 1 では、公式の解は、Newmarkの線形加速度法(Newmark's linear acceleration method)と同じになります。

シータが 1.37 以上では、Wilson's 法が無条件で安定します。