シミュレーションを行う理由(Why Simulate?)

SOLIDWORKS で設計 (部品) を構築した後、以下のような質問に答えなければならないかもしれません:
  • 部品は壊れないだろうか?
  • どんなふうに変形するのだろう?
  • 製品の機能的なパフォーマンスを維持しながら材料を削減することはできないだろうか?
解析ツールがなければ、高価で時間のかかる開発サイクルを繰り返しながら答えを見つけ出すしかありません。製品の開発サイクルには、一般的に以下の段階(ステップ)が含まれます:
  1. SOLIDWORKS CAD でモデルを構築します。
  2. 製品のプロトタイプを作成します。
  3. プロトタイプをテスト(フィールドテスト)します。
  4. フィールドテストの結果を評価します。
  5. フィールドテスト結果を基に、設計を修正します。
このプロセスは満足するソリューションに到達するまで繰り返されます。 一方、Simulation により、以下に示すような効果が期待できます:
  • フィールドテストに代わってコンピュータを使用してモデル(製品)をテストすることによるコスト削減
  • 開発サイクルを通過させる製品数を減らすことによる市場への早期参入
  • 最終決定する前に、コンセプトやシナリオをシミュレーションすることによる製品の最適化

応力解析(Stress Analysis)

応力または静的解析は、その材料特性、与えられた荷重、固定条件に基づく、変位(Displacement)、ひずみ(strains)、および応力(stresses)を計算します。 材料は、応力があるレベルに到達すると破壊します。 異なる材料は、異なる応力レベルで破壊します。 SimulationXpress は、応力を計算するために有限要素法(Finite Element Method)に基づいた線形静解析手法が採用されています。 線形静解析では、いくつかの仮定(several assumptions) を基に応力計算されています。

有限要素法(Finite Element Method)

有限要素法(FEM)は、エンジニアリングデザインを解析するための信頼性の高い数値計算手法です。 FEM では、複雑な問題を簡単な問題に置き換えています。 たとえば、部品を「要素」(element)と呼ばれる簡単な形状の小さなピースに分解します。
ブラケットのCADモデル 小さなピースに分割されたモデル (要素)
要素は、「節点」(Node)と呼ばれる共通のポイントを共有します。 設定された支持条件と荷重条件下で、これらの要素の挙動が明らかになります。 各節点の動きは、X、YおよびZ方向の並進移動によって表現されます。これは、「自由度」(Degrees of freedom (DOFs))と呼ばれています。 有限要素法を使った解析を、有限要素法解析(FEA)と呼びます。
四面体要素 赤い点は要素の節点を示しています。 要素境界(エッジ)は、曲線でも直線でも構いません。

SimulationXpress では、他の要素との連結状態を考慮し、各要素の挙動を支配する方程式が組み立てられています。 これらの方程式は、既知量である材料特性、固定、荷重条件と変位にも関連付けられています。

次に、SimulationXpress は、膨大な数の連立代数方程式を組み立てます。 ソルバと呼ばれる計算実行プログラムは、各節点でのX、YおよびZ方向の変位量を計算します。

計算された変位量を使って、様々な方向のひずみが SimulationXpress によって計算され、最終的に応力が計算されます。 最終的に、プログラムは数学的な式を応力を計算するために使います。