応力/ひずみ曲線の入力

設定に応じて、非線形解析では応力/ひずみ曲線の入力が必要である場合があります。 このような場合、応力とひずみの正しい定義を使用して曲線を入力する必要があります。

以下の表に、使用される解析オプションと材料モデルのタイプに応じて、応力/ひずみ曲線の入力として使用される応力とひずみのタイプの概要を示します。

解析オプション
材料モデル: 小ひずみ、小変位 小ひずみ、大変位 大ひずみ、大変位
非線形弾性 実際の応力、エンジニアリングひずみ 実際の応力、エンジニアリングひずみ なし
弾塑性 von Mises 塑性、Tresca 塑性、Drucker Prager 実際の応力、エンジニアリングひずみ 実際の応力、エンジニアリングひずみ 実際の応力、対数ひずみ
超弾性: Mooney-Rivlin、Ogden Blatz Ko エンジニアリング応力、伸縮率 エンジニアリング応力、伸縮率 エンジニアリング応力、伸縮率
スーパー弾性 実際の応力、対数ひずみ 実際の応力、対数ひずみ 実際の応力、対数ひずみ
粘弾性 実際の応力、エンジニアリングひずみ 実際の応力、エンジニアリングひずみ なし

解析が完了した後、応力の出力は Cauchy(真)出力で、これは変形ジオメトリの実際の応力です。

ひずみの出力は、材料モデルと、小ひずみと大ひずみのどちらの理論を選択したかによって決まります。

非線形弾性モデル: von Mises 塑性、Tresca 塑性、Drucker Prager、スーパー弾性、および粘弾性に対しては、小ひずみのオプションはエンジニアリングひずみをつくりだし、大ひずみのオプションは対数ひずみをつくりだします。

実際の応力とひずみ

引張り状態にあるバーの変形が大きくなると、断面面積が変化します。 応力とひずみに関する従来のエンジニアリングの定義は正確ではなくなったため、実際の応力と実際のひずみという新しい測定が導入されています。 これらの数量に対する別名としては、Cauchy(真)応力、対数ひずみ、および自然ひずみがあります。

実際の応力は で、a が最終的な変形断面面積です。

実際のひずみは で、l が最終的な長さで、L がバーの変形していない最初の長さです。

エンジニアリング応力およびひずみ

エンジニアリング応力(または公称応力)は で、A が変形していない最初の断面面積です。

エンジニアリングひずみ(または公称ひずみ)は で、Δl が最終的なバーの変形です。

  • エンジニアリングひずみは小さなひずみの測定で、モデルのひずみが "小" ではなくなる(5% より大きいくらい)と無効になります。 対数ひずみは、モデルの最終的な長さに依存する非線形のひずみの測定値で、大きなひずみのシミュレーションに使用します。
  • 粘弾性材料モデルでは、応力対ひずみの定義は緩和関数と時間の対比に置き換えられています。
  • 曲線の最後のデータ点以降の応力/ひずみ曲線の外挿: 弾塑性または非線形弾性材料の定義に対しては、最後の 2 つのデータ点は、定義した応力/ひずみ曲線の外側のデータ点のペアを計算するように線形的に外挿されます。
  • 応力-ひずみ曲線を定義する場合、曲線の第 1 点は材料の降伏点とする必要があります。 弾性係数、降伏強さなどの材料特性は、材料(Material)ダイアログ ボックスにある材料特性テーブルではなく、利用可能な応力-ひずみ曲線から取得されます。 ただし、ポアソン比(NUXY)のみがテーブルから取得されます。