非線形解析 - 解法

非線形解析(Nonlinear)ダイアログ ボックスの解法(Solution)タブでは、解法関連のオプションを設定します。 このタブでは、次のオプションを設定できます。

ステップのオプション

時間情報は、荷重と境界条件の時間カーブ定義に関連付けられています。 時間は、クリープ、粘弾性、または非定常熱伝導スタディからの時間依存の結果を使用した熱荷重等を含まない、静的問題における疑似変数です。

開始時間 解法の開始時間。孤長(Arc-Length)手法では使用されません。
再スタート(R) 最後の正常な解析ステップからリスタートします。 リスタート データに、前回の解析実行時にアクティブ化した リスタートのためにデータを保存(Save data for restarting the analysis)がある場合のみ使用できます。
解析のリスタート時に、荷重パラメータ(時間カーブ(Time curve) ダイアログ ボックス)を変更できます。
リスタート(Restart) オプショをアクティブ化する際に、自由度の拘束条件を自由から固定、またはその逆に変更できます。
たとえば、解析のリスタート時に、拘束条件を固定から自由に変更するには:
  • 変位(Translations)拘束(Fixture) PropertyManager)で、拘束を適用する方向に 1 を入力します。
  • 時刻歴による遷移状況(Variation with Time)でカーブ(Curve)を選択し、編集(Edit)をクリックします。 時間カーブ(Time curve)ダイアログ ボックスで、カーブ データを次のように入力します。
    X (時間 (秒)) Y 値 拘束条件
    0 0 固定
    1 0 固定
    1.05 OFF (リスタート) 固定から自由に変更
    2 OFF 自由

解析のリスタート時に、拘束条件を自由から固定に変更するには:

  • 変位(Translations)で、拘束を適用する方向に 1 と入力します。
  • 時刻歴による遷移状況(Variation with Time)でカーブ(Curve)を選択し、編集(Edit)をクリックします。 時間カーブ(Time curve)ダイアログ ボックスで、カーブ データを次のように入力します。
    X (時間 (秒)) Y 値 拘束条件
    0 OFF 自由
    1 OFF 自由
    1.05 0(リスタート) 自由から固定に変更
    2 0 固定

    最初の解析実行時は(最初の解析実行では必ず、リスタートのためにデータを保存(Save data for restarting the analysis) を選択してください(開始時間 = 0 < t < 終了時間 = 1 秒))、ソルバはこの拘束を無視するため、拘束が適用されている選択エンティティは自由に移動できます。 リスタート(Restart)をアクティブ化し、解析を再実行すると(開始時間(Start time) = 1 秒 < t < 終了時間(End time) = 2 秒)、ソルバは拘束を適用するため、選択エンティティは指定方向への移動が拘束されます。

終了時間 解法の終了時間。孤長(Arc-Length)手法では使用されません。
リスタートのためにデータを保存 リスタートに備えて、スタディを実行する前に選択します。 ソフトウェアはリスタートに必要なデータを保存するために必要な時間とディスク容量を使用します。 このオプションを選択しない場合は、最初から実行し直す必要があります。
スタディの再メッシュを行うと、すべてのリスタート データが削除されます。
時間ステップ 荷重(Force)と変位(Displacement)の制御手法で、各解法ステップに回数を増やす手続きを設定します。 円弧の長さ制御手法の場合、この値は、円弧の長さの増分を推定するために使用されます。

自動化(自動ステップ)

オンにすると、各解法ステップに対して内部的に増分が判断され、収束の可能性が向上します。 このオプションは、すべての制御方法に対応しています。 オンにする場合は、以下の項目を使用します。

最初の時間ステップ

この増分は、時間増分を最初に推定するときに使用されます。

最小

最小時間ステップ。 デフォルトは、1e-8 秒です。

非線形動解析スタディのみで、指定された最小増加が最初の時間ステップと等しいか、より大きい場合、プログラムは最初の時間ステップの 10% へ最小時間ステップをリセットします。

最大

最大時間ステップ。 デフォルトは、力(Force)終了時間(End time)変位(Displacement)制御方法です。

非線形動解析スタディのみで、指定された最大時間ステップは使用されません。 プログラムは最初の時間ステップに最大値をリセットします。

調整数(No. of Adjustments)

各解法ステップごとの時間ステップ調整の最大数。

固定

固定の時間ステップの増分。 デフォルトは 10 ステップの実行です。

以下の場合、解析は停止されます。
  • 任意のステップで、ステップサイズの調整数が、ステップ調整の最大数を超えた場合。
  • 収束に必要なステップの増分が、最小のステップ増分よりも小さくなった場合。

ジオメトリ非線形性オプション

フリー ボディー フォースの計算 解析が完了すると、各解析ステップで選択したエンティティのフリー ボディ フォースがリストされます。 フリー ボディ フォースは接触、外部荷重、拘束、結合によって生じます。
結果 を右クリックし、力の結果リスト表示 をクリックします。 フリー ボディ フォース(Free body force)、ジオメトリ エンティティ(ボディ、面、エッジ、または頂点)、および解析ステップを選択して、フリー ボディの力とモーメントをリストします。
大変位理論を使用 大変位理論を使用します。
荷重方向を変形を反映して更新 選択すると、すべての解析ステップで適用可能な荷重(等分布圧力、垂直集中荷重)の方向が更新されます。
(a) 変形前のジオメトリに荷重を適用。
(b) 荷重方向を変形に反映して更新(Update load direction with deflection)のフラッグが選択解除されている場合。 変形ジオメトリでは、元の荷重方向が維持されます。
(b) 荷重方向を変形に反映して更新(Update load direction with deflection)のフラッグが選択されている場合。 荷重方向が更新され、各解析ステップにおいて、荷重方向は変形ジオメトリに対して垂直方向になります。

トルクを適用すると、トルクを生成する力およびモーメント アームが計算され、その力がノードに適用されます。 これらの力は、解析の始めから終りまでそれぞれの初期方向を保持します。この結果、予想外に高い応力が生成される場合があります。

大ひずみオプション 大ひずみ論理を使用します。大ひずみ論理を非線形弾性、von Mises塑性、ニチノール、粘弾性、および超弾性材料モデルで選択します。
大ひずみオプションを選択する場合、材料モデルに応じて応力/ひずみ曲線データを入力する必要があります。トピック Simulation Help: Defining Stress-Strain Curves で、応力/ひずみ曲線の有効な入力データについて参照してください。
ボルトの予応力保持

このオプションが選択解除されると、ゼロ応力状態のボルトの長さ L0 は、解析開始時のボルトの長さ Lst に基づいて決定されます。これは、ボルト結合によって取り付けられた構成部品の変形前のジオメトリ状態に対応します。 ゼロ応力状態のボルトの長さは、次のように計算されます:

L0 = Lst / (1+(P/A*E))

非線形解析が進むと、各解析ステップでのボルトの長さ Lstep は、適用された荷重によって変形するため、接続した構成部品の変形ジオメトリに適合します。 非線形解析の終了時のボルトの最終応力は、ユーザー定義の初期荷重応力と異なります。 各解析ステップでのボルトの軸方向荷重は、次の数式から計算されます。

Pstep = A* E* (Lstep - L0) / L0

このオプションをオンにすると、最初にユーザー定義の初期荷重 P を外部荷重のない初期条件として使用して解析が実行されます。 ボルトで接続された部品の変形が計算され、ゼロ応力状態 L0 のボルトの長さを決めるために使用されます。接続部品の予応力による状態に対応するボルトの変形長として Lf を定義します。 ゼロ応力のボルトの長さは、次のように計算されます。

L0= Lf / (1+(P/A*E))

解析の第 2 ステップでは、適用されるすべての荷重が含まれています。 各解析ステップでのボルトの軸方向荷重は、次の数式から計算されます。

Pstep = A* E* (Lstep - L0) / L0

解析中に、(a)Lstep <= L0 の場合はボルトが緩み、(b)Lstep > L0 の場合、ボルトに張力がかかり、部品は接続された状態のままになります。

注釈:
  • P: ユーザー定義の軸方向初期荷重
  • Pstep: 現在の解析ステップにおけるボルトの軸方向荷重
  • A: ボルトの断面積
  • E: ボルトの弾性の材料係数
  • L0: ゼロ応力状態のボルトの元の長さ
  • Lst: 解析開始時のボルトの長さ(ボルトによって取り付けられた構成部品の変形前のジオメトリ状態に対応します)
  • Lf: 予応力による接続部品の強制移動後のボルトの長さの変形(選択したボルト-予応力を保持)
  • Lstep: 現在の解析ステップにおけるボルトの変形長

解析ソルバ

非線形解析の実行に、解析ソルバを使用するように設定します。

ソルバ自動選択 モデルのサイズおよび利用可能な RAM に応じて、2 つのソルバのうちから最も安定したものが選択されます:

Intel 直接スパース ソルバ

ジオメトリがスリムな中小サイズのモデルの場合。 Intel 直接スパース ソルバでは、FFEPlus 反復ソルバより大きな RAM が必要です。

FFEPlus ソルバ

ジオメトリが大きい中サイズのモデル、および大規模モデルの場合。

Intel 直接スパース(Intel Direct sparse) Intel 直接スパース ソルバを使用します。非線形性が高い問題を収束する可能性が高いソルバです。
FFEPlus FFEPlus 繰り返しソルバを使用します。 このソルバは、メモリにあまり負担を掛けません。 大規模な問題の場合、高速に処理できる可能性があります。
大きな問題の直接スパース 大規模な問題の直接スパース ソルバは、拡張メモリ割り当てアルゴリズムを利用して、解析が厳密な解から遠ざかる場合を処理できます。

結果を保存

結果を 3DEXPERIENCE に保存

コラボレーション スペースと呼ばれるストレージ領域内にある 3DEXPERIENCE Platform の関連する SOLIDWORKS モデルとともにシミュレーション結果を保存します。

SOLIDWORKS Simulation の結果と関連する SOLIDWORKS モデルを 3DEXPERIENCE Platform に保存すると、これらのデータベース オブジェクトを保存先のコラボレーションス ペースで検索し、SOLIDWORKS に直接ダウンロードできます。

詳細については、3DEXPERIENCE Platform での SOLIDWORKS Simulation 結果の保存も参照してください。

シミュレーション結果(.cwr)ファイルを 3DEXPERIENCE Platform に保存するオプションは、適切な 3DEXPERIENCE SOLIDWORKS ロールを有効にした場合にのみ使用できます。

結果をディスクに保存 シミュレーション結果(*.cwr)ファイルをローカル ディスク ドライブに保存します。
結果を SOLIDWORKS ドキュメント フォルダに保存 シミュレーション結果(*.cwr)ファイルを、関連付けられた SOLIDWORKS モデルが保存されている同じローカル フォルダに保存します。
結果ファイルを保存するフォルダを選択 シミュレーション結果(*.cwr)ファイルを保存するフォルダ パスを選択します。 選択したフォルダ パスが結果フォルダ(Results folder)に表示されます。
ここに入力した場所は、 デフォルト オプション(Default Options) > 結果(Results) で設定されたデフォルトの結果フォルダの場所を上書きします。

中央節点での応力を計算(高品質固体メッシュのみ)

このオプションを選択すると、曲率が急激に変化する領域で高品質のソリッド要素の中間節点に異常に高い応力が発生する場合、良好な応力結果が得られます。

高品質のソリッド要素では、中間節点での応力は、最も近いコーナーの各節点の応力値を平均化して計算されます。 応力平均化スキームの例を示します。
  • コーナー節点(1、2、3、4)の応力は、共有要素を全体的に平均化します。
  • 最も近いコーナー節点で平均した中間節点(5、6、7、8、9、10)の応力。 たとえば、応力(節点 5)=(応力(節点 1)+ 応力(節点 2)) / 2