非線形スタディの反復解析手法(Iterative Solution Methods for Nonlinear Studies)

非線形静解析スタディ(Nonlinear Static Studies)

非線形静解析で、任意の「時間」ステップ t+Δt で解くことができる方程式の基本セットを以下に示します。

t+Δt{R} - t+Δt{F} = 0

ここで、

t+Δt{R} = 外部から加えられた節点荷重のベクトル

t+Δt{F} = 内部で生成された節点力のベクトル

内部の節点力 t+Δt{F} は時間 t+Δt における節点変位 t+Δt{U} に依存するため、反復法を使う必要があります。以下の方程式は、特定の時間ステップ t+Δt で均衡方程式を解くための反復手法の基本的なものを示しています。

{ΔR}(i-1) = t+Δt{R} - t+Δt{F}(i-1)

t+Δt[K](i) {ΔU}(i) = {ΔR}(i-1)

t+Δt{U}(i) = t+Δt{U}(i-1) + {ΔU}(i)

t+Δt{U}(0) = t{U}; t+Δt{F}(0) = t{F}

ここで、

t+Δt{R} = 外部から加えられた節点荷重のベクトル

t+Δt{F}(i-1) = 反復(i)における内部で生成された節点力のベクトル

{ΔR}(i-1) = 反復(i)における不均衡荷重ベクトル

{ΔU}(i) = 反復(i)における節点変位増分ベクトル

t+Δt{U}(i) = 反復(i)における総変位のベクトル

t+Δt[K](i) = 反復(i)におけるヤコビアン(正接剛性)行列

上記反復を実行する手法が他にもあります。ニュートン型の二つの手法については以下を参照してください:

反復解析手法 - NR(ニュートン・ラプソン法)スキーム(Iterative Solution Methods - Newton-Raphson (NR) Scheme)

この手法では、下の図のように正接剛性マトリクスが、特定のステップまでの各反復で生成されて分解されます。NR 法は、高い収束率を持ち、その収束率は二次方程式です。ただし、正接剛性は各反復で生成されて分解されるため、大きなモデルの場合は非常に高価になるので、他の反復法の方が有効かもしれません。

反復解析手法 - MNR(修正ニュートン・ラプソン)スキーム(Iterative Solution Methods - Modified Newton-Raphson (MNR) Scheme)

この手法では、下の図のように正接剛性マトリクスが、各ステップの最初(または、スタディのプロパティで定義した時間)で形成されて分解され、反復中に使用されます。