一定振幅疲労イベントの不規則な相互作用の例

不規則な相互作用 を選択した場合、ソフトウェアは異なるイベントから最大応力を混合して交番応力を評価します。

異なる荷重イベントの相互作用においては、1 つのイベントからの正の最大ピーク応力を別のイベントからの最小ピーク応力と組み合わせることで、疲労イベントのものよりも大きな交番応力を生成することができます。

不規則な相互作用 オプションでは、異なる疲労イベントを順番に適用する(相互作用無し)よりも大きな疲労損傷率が予測されます。 不規則な相互作用 メソッドは、ASME ボイラーおよび圧力容器規格に基づいています。

たとえば、次の 3 つのイベントがあるとします。
  イベント 1 イベント 2 イベント 3
サイクル数 80,000 230,000 120,000
最小応力 0 -300 MPa 0
最大応力 500 MPa 0 200 Mpa

不規則な相互作用 が考慮される場合、最大の応力変動をもたらすイベント シーケンスは、イベント 2 の 1 つのサイクルがイベント 1 の各サイクルを開始するケースです。このケースでは、応力が 500 MPa(イベント 1 の最大応力)から -300 MPa(イベント 2 の最小応力)まで変動し、応力変動は 800 MPa になります(交番応力は 400 MPa で平均応力は 100 MPa)。

イベント 1 のサイクルは 80,000 しかないので、このイベント シーケンスは 80,000 回しか発生しません。 最初のイベント シーケンスの後、イベント 2 の残りのはサイクルは 150,000(= 230,000 - 80,000)しかありません。

次のイベント シーケンスでは、イベント 3 の 1 つのサイクルがイベント 2 の残りの各サイクルを開始し、500 MPa の応力変動(交番応力 250 MPa、平均応力 -50 MPa)が生じるとします。

イベント 3 のサイクルは 120,000 しかないので、2 番目のイベント シーケンスの発生回数は 120,000 回になります。

最後に、イベント 2 の 30,000 サイクルが残ります。 これは、150 MPa の交番応力に対応します(平均応力 -150 MPa)。

  不規則な相互作用
イベント 2 に先行するイベント 1 80,000 サイクルで、交番応力が 400 MPa、平均応力が 100 MPa
イベント 3 に先行するイベント 2 120,000 サイクルで、交番応力が 250 MPa、平均応力が -50 MPa
イベント 2 30,000 サイクルで、交番応力が 150 MPa、平均応力が -150 MPa
  相互作用無し
イベント 1 80,000 サイクルで、交番応力が 250 MPa、平均応力が 250 MPa
イベント 2 230,000 サイクルで、交番応力が 150 MPa、平均応力が -150 MPa
イベント 3 120,000 サイクルで、交番応力が 100 MPa、平均応力が 100 MPa
  • 複数のスタディを参照する疲労イベントによるスタディの場合、相互作用なし オプションを選択すると、不規則な相互作用 オプションに基づいて最大応力が計算されます。
  • ASME ボイラーおよび圧力容器規格では、不規則な相互作用 オプションの使用が推奨されています。 これは通常、相互作用なし オプションよりも無難です(より高い損傷率を予測します)。