落下試験スタディ(Drop Test Studies)
落下試験スタディでは、剛平面または柔軟平面を持つ部品またはアセンブリの衝撃に対する影響を評価します。 物体の床への落下は代表的なアプリケーションであるため、この名前が付けられました。 プログラムは、自動的に衝撃と重力の荷重条件を計算します。 その他の荷重と拘束条件は考慮されません。
設定(Setup)
落下試験の設定 PropertyManagerの以下のオプションを使って、落下試験スタディを設定することができます。
落下高さ(drop height )(h)、重力加速度(acceleration of gravity) (g)、および衝撃面の方向を定義します。 プログラムは、次の式を使って衝撃速度を計算します: v = (2gh)1/2。 物体は、剛平面に衝突するまで剛体として重力の方向に移動します。
衝撃速度(v)、重力加速度(g)、および衝撃面の方向を定義します。 プログラムは、衝撃速度の方向に基づいて衝撃領域を決定します。
最初の衝撃が発生するまで回転は考慮されません。
計算(Computations)
プログラムは、動的問題を時間の関数として解決します。 一般的な運動方程式を次に示します。
FI(t) + FD(t) + FE(t) = R(t)
ここで、FI(t) は慣性力、FD(t) は減衰力、そして、FE(t) は弾性力を表します。 このすべての力は時間に依存します。
静解析の場合の方程式は次のようになります: FE(t) = R(t) 速度と加速度が小さいため、慣性力と減衰力を無視することができます。
減衰は考慮されません。 外力 R(t) は重力と衝撃力を含みます。
この方程式を直接、時間領域に統合する方法として、陰解法と陽解法の二種類があります。 陽解法は、剛性マトリクスの構成や分解の必要がありません。この方法の長所は、コンピュータの時間とリソースを節約できることです。 ただし、収束解析用の臨界値より小さい時間ステップが必要です。 通常、臨界時間ステップはごく短時間です。
陰解法では、陽解法で必要な臨界時間ステップよりも 1 桁か 2 桁大きい時間ステップで満足できる解が得られます。 ただし、時間ステップごとに強度計算が必要です。
ソフトウェア は落下試験スタディを解決するために陽解法を使用します。 自動的に、最小要素サイズに基づいて臨界時間ステップを評価し、それより小さい値を拡散を避けるために使用します。 必要に応じて、非常に微かな特徴を無視したり、非常に小さい要素の生成を避けるためにメッシュ コントロールを使用したりすることができます。 プログラムは、解析の過程で時間ステップを調整します。
明示的手法に関するより詳細な情報は次の文書を参照してください: An Explicit Finite Element Primer byPaul Jacob & Lee Goulding,2002 NAFEMS Ltd.
収束(Convergence)
メッシュ内の変化が収束を促進します。 高速のメッシュ変化は拡散につながる可能性があります。 ソルバは、エネルギーバランスのモニタリングによって、この状態をチェックします。 エネルギーバランスが拡散し始めると、ソルバはメッセージを出力して停止します。
部品は壊れないだろうか?(Will the Model Break?)
スタディがこの問いに対する答えを提供するわけではありません。 また、衝撃による結合されたコンポーネントの破壊を想定していません。 このようなイベントが発生する可能性は、結果から評価することができます。 たとえば、最大応力により材料破壊を予測し、接触荷重により構成部品破壊を予測することが可能です。
関連トピック
落下試験 - 接触(Drop Test - Contact)
落下試験 - 材料(Drop Test - Materials)
落下試験 - 結果オプション(Drop Test - Result Options)
落下試験 - 設定(Drop Test - Setup)
落下試験 - 衝撃後の解析時間(Drop Test - Solution Time After Impact)
落下試験 - 表示オプション(Drop Test - Viewing Options)
落下試験解析の実行(Performing Drop Test Analysis)