解析ソルバ(Analysis Solvers)
有限要素解析では、問題は一連の連立代数方程式として表されます。 解析手法には 直接法と反復法の2つがあります。
直接法は厳密な数値的技術を使って直接方程式を解きます。 反復法は、各反復計算で近似手法によって方程式を解き、解を推定して関連する誤差を評価します。 反復計算は誤差が許容誤差内になるまで繰り返されます。
ソフトウェアでは、以下のソルバを使用できます:
ソルバの選択(Choosing a Solver)
ソルバの自動選択は、静解析、固有値、座屈、熱伝導のスタディにおけるデフォルト設定です。
複数領域における接触問題で、繰り返し接触が起きる場合には、直接スパースが最適と言えます。
50,000 以上の自由度を持つモデルの非線形解析スタディで、短時間で結果を出すには、FFEPlus がより効果的です。
2つのソルバは小さなモデル(25,000 自由度以下)に有利なソルバと言えますが、大規模なモデルの場合は、パフォーマンス(速度またはメモリ使用法)に大きな違いがあります。
ソルバがコンピュータ上で利用することのできるものより多くのメモリを要求する場合、ソルバは、一時データを格納し検索するためにディスクスペースを使用します。 この状況が生じた場合、解析が厳密な解から遠ざかり、解析速度が遅くなる、とメッセージが表示されます。 ディスクに書き込まれるデータ量が非常に大きい場合、解析速度が非常に遅くなります。
以下の内容を参考に適切なソルバを選択してください。
モデルのサイズ: 一般的に、FFEPlus は 100,000 自由度(DOF)以上の問題の解決に適しています。 モデルのサイズが大きい場合には FFEPlus ソルバが有利です。
コンピューター資源: 直接スパースソルバはコンピュータにメモリを設置すればするほど高速になります。
材料特性値: モデルで使用される材料の弾性係数が大きく異なる場合(鋼とナイロンのように)、反復ソルバは非常に不得意です。 このような場合は直接スパースソルバを使用してください。
ソルバ ステータス
スタディを実行したとき、ソルバ ステータス(Solver Status) ウィンドウ が現れます。 進捗情報のほかに、次を表示します:
FFEPlus ソルバ(反復)を使用するすべてのスタディは、収束のプロットとソルバ パラメータにアクセス可能です。 収束プロットは解析がどのように収束しているかを視覚化するのに役立ちます。 ソルバ パラメータは、正確さを改善するか、または結果の正確さではなく、速度を改善することができるように、ソルバの繰り返しを操作できます。 ソルバの事前に定義された値を使用するか、変更することが可能です:
最大繰り返し数 (P1)
停止スレッショルド (P2)
正確さを改善するには、停止スレッショルドの値を減少させます。 ゆっくりと収束する状況では、停止スレッショルドの値を増やすか、または最大繰り返し数を減少させることにより、厳密に正確ではない結果で速度を改善することができます。