剛体ボディを定義するケース(When to Define a Rigid Body)
アセンブリでソリッドボディを剛体として扱うことの主な利点は、解析時間を短くできることです。剛体を含むアセンブリは、変形体を含むアセンブリよりも早く解析が完了します。Simulation スタディを実行する際、以下のようなケースではソリッドボディを剛体として扱うことができます:
- ソリッドボディが、その周囲の構成部品と比較して非常に硬い材料を使用している場合。例えば、柔らかい試料に押し付ける硬度測定器の圧子、パンチ・金型等の工具材料などです。これらのケースでは、剛体近似は十分に正確な結果をもたらすと予想されます。
- ソリッドボディが注目して解析する領域から遠く離れていて、かつアセンブリが大規模な場合。剛体近似は、剛体として扱うボディにも他の部品にも、誤った結果を導く可能性があります。大規模アセンブリの解析に非常に長い時間を要する場合にのみ、剛体近似を使用するべきです。しかし、ソリッドボディを解析から除外したり拘束や荷重に置き換えることよりも、剛体として扱うことをお奨めします。剛体として扱う場合、部品間の接触の相互作用がシミュレーションで考慮されるからです。
剛体上の結果表示(Results Display on Rigid Body)
剛体の結果は変位でのみ表示されます。 ひずみと応力は、計算されず、表示されません。 剛体に対する反力およびフリー ボディ フォースも計算されません。 剛体を持つメッシュプロットは表示されますが、特別に識別できる方法で行われます。 剛体は、シェル要素でスキン メッシュされるため、互換性のないボンド結合による接触状態が生じます。
下図は、半球と変形可能なブロックの間の接触の結果を示します。対称性を利用して、半球の 1/4 のみが表示されています。剛体として扱われている半球ボディのひずみと応力は表示されません。
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変位(Displacement)
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ひずみ(Strain)
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応力(Stress) |
プログラムは剛体に指定された弾性特性プロパティを使いません。
ボディを剛体として扱うには:
Simulation スタディツリーで、剛体として扱うボディを右クリックし、剛体にする(Make Rigid)を選択します。
シミュレーションに剛体を含めるには、ボディを右クリックし、変形体にする(Make Deformable)を選択します。オプションの剛体にする(Make Rigid)が、変形体にする(Make Deformable)に切り換わります。