応力結果の線形化(圧力容器スタディ)

応力線形化は、圧力容器スタディの断面応力プロットで、肉厚を通して観察される実際の応力分布から曲げおよび膜応力成分を分離します。

応力線形化の方法は、American Society of Mechanical Engineers(ASME) International Boiler and Pressure Vessel Code ASME BPVC-VIII-2 に準拠しています。この機能は、ソリッド メッシュにのみ使用されます。 シェルの場合は、膜応力と曲げ応力を個別のプロットでリストできます。

応力の線形化では、肉厚を通した実際の応力変化を理想化します。 膜応力成分は厚さを通して一定であるのに対し、曲げ応力成分は厚さに応じて直線的に変化します。 線形化されていない応力成分は、ピーク応力として参照されます。

1 内壁境界
2 Midplane
3 外壁境界
4 膜応力成分(緑の点線は膜応力を示します)
5 曲げ応力成分(青い点線は曲げ + 膜応力を示します)
6 ピーク応力、線形化されていない応力成分(赤い実線は実際の応力を示します)
  1. 圧力容器スタディを作成し、静解析スタディの結果を必要な係数と組み合わせます。
  2. 圧力容器スタディを実行し、平面断面の応力プロットを定義します。 任意の応力成分をプロット化できます。 応力の線形化ではプロットの結果量に関わらず、すべての成分の応力結果が使用されます。
  3. 応力プロットを右クリックして、線形化(Linearize)を選択します。
  4. PropertyManager の位置(Locations)として、断面上で2箇所をクリックします。
    • 正確な結果を得るには、2 つの位置を結ぶ線が肉厚に対して垂直で、材料上に完全に収まっている必要があります。 すなわち、結果の存在しない領域や穴を通るものであってはいけません。
    • 2 つの場所は、同じボディの異なる要素に属している必要があります。 応力線形化パス(中間点を含む)に沿ったすべての位置は、同じボディに属する必要があります。 参照点は応力線形化パスでは有効な選択ではありません。
  5. 中間点数(Number of intermediate points) を入力し、グラフの解像度を線に沿って定義します。 ソフトウェアは中間点における応力結果を補間します。
  6. 計算をクリックします。
    サマリーは、2 つの位置における応力の線形化結果をリストします。 結果の全範囲(中間点も含む)は次のようにレポート オプション(Report Options)を使用して表示できます。
    Simulation は、応力分類線(SCL)によって定義されたローカル座標系に基づいて、6 つの成分の応力テンソルをレポートします。 SCL 線は、壁の厚みの中間サーフェスと垂直になります。

    • N: 法線ベクトルまたはメリディオナル
    • T: 内壁から外壁までの接線ベクトル
    • H: 断面平面に垂直なフープ ベクトル
  7. レポート オプション(Report Options)で次をクリックします:
    • センサー保存 (Save As Sensor)をクリックし、位置をセンサーとして保存します。
    • 保存(Save) をクリックし、結果を Excel .csv ファイルあるいは テキスト .txt ファイルに保存します。 .csv ファイルには、グローバル座標系と SCL 座標系のすべての応力成分が含まれます
    • プロット(Plot) をクリックし、結果をグラフ表示します。
    • データを保存してレポートに表示 (Save the data and show in Report)します。