慣性力

エンジンで推進されているロケット、飛行中の飛行機、動いている自動車など、加速しているフリー ボディに対する応力と変位を計算するには、慣性力を使用します。

モデルが適切に拘束されていない場合、わずかな力でも剛体運動が発生することがあります。 適用した力のバランスがとれている場合でも、数値的な近似によって、アンバランスな小さな力が発生することがあります。

慣性力をアクティブにするには、静的 ダイアログ ボックスで 慣性力効果使用 を選択します。 このオプションを選択すると、プログラムが自動的にモデルのすべてのノードに分散される慣性力を適用して、静的平衡の等価状態を形成します。

慣性力オプションをアクティブにした場合、拘束条件を設定する必要はなく、また剛体運動に対するモデルを安定させるソフト スプリング オプションを選択しなくても、解析を実行することができます。

Inertia_Relief_eq_1.gif

{F}t

適用される外力

{α}t

慣性による並進加速度(計算対象)

ρ

材料の密度

v

材料の体積

上の式は次のように表すことができます:

Inertia_Relief_eq_2.gif

Mxx、Myy、Mzz は x、y、z 方向の全質量であり、並進自由度に対する要素質量マトリックスの行ごとの合計によって評価されます。 Mxx、Myy、Mzz が評価されると、解析に加速場として適用される加速度 αx、αy、αz が生成されます。

弾性ボディに対するアンバランスな外力により剛体運動が発生する場合にも、慣性力が適用されます。 アンバランスな力は、並進加速域によって生成される分散された慣性力によってバランスをとることができます。 慣性オプションをアクティブにして、重力、遠心力、または熱荷重のバランスをとることは推奨されません。不正確な結果が生成される場合があります。

慣性力オプションは外部荷重がわずかに不均衡な SOLIDWORKS Motion からインポートされた荷重のような場合に特に有効です。 慣性力の基になる D'Alembert's 原理によると、慣性力および慣性トルクまたは慣性モーメントを追加することで、加速する剛体を等価の静的システムに変換できます。

シミュレーション アプリケーションでは、並進場のみが考慮され、生成される回転は無視されます。