剛体移動の防止

適切に拘束されていないモデルは、自由に並進または回転します。一般に、各部品には3つの並進性と3つの回転の剛体モードがあります。アセンブリにおいて、各部品におけるその6つの剛体モードを防止する必要があります。

以下の項目は剛体モードの防止に役立ちます:

  • 変位拘束
  • スタディ プロパティ(ソフト スプリングと慣性力フラグ)
  • 接触条件
  • コネクタ
ソフト スプリング オプションは、安定性の検討を始める前のツールとして使用されます。最終スタディでは使用しないことをお勧めします。慣性力フラグは、外部荷重が釣り合っている場合に使用できます。

固体モデルの拘束条件(Adequate Restraints for Solid Models)

固体モデルの変形は、各節点での3つの並進によって設定されます。固体モデルの回転は、その節点の並進によって設定されます。固定拘束をソリッドに適用した場合、エッジ、頂点、または面に属する各ノードの、3自由度(変位)が拘束されます。

例(Example)

立方体の固体モデルの例:
  • ひとつの頂点を拘束すると、拘束した頂点周りを回転するため、モデルは安定しません
  • 2つの頂点を拘束すると、2つの頂点を結んだラインの周りを回転するため、モデルは安定しません
  • ひとつのエッジを拘束すると、エッジの周りを回転するため、モデルは安定しません。
  • 直交する2つの面を垂直方向に拘束すると、モデルは第3方向に移動するため、モデルは安定しません
  • 3 つの頂点を固定すると、モデルは安定します。
    同一直線内に複数の頂点を拘束した場合、固体モデルは安定しません。
  • 1つの面を固定すると、モデルは安定します
  • 1 つのエッジと、このエッジの一部でなはい 1 つの頂点を固定すると、モデルは安定します。
  • 3 つの直行する面を垂直方向に拘束する場合、モデルは安定します。
次に、円筒について考えます:
  • 円筒面を半径方向へ拘束すると、モデルは回転しスライドするため、モデルは安定しません
  • 円筒面を回転回りへ拘束すると、モデルは軸方向に移動するため、モデルは安定しません
  • 円筒面を回転回り、頂点を軸方向へ拘束すると、モデルは安定します
  • 全ての面を固定すると、モデルは安定します

シェル モデルの拘束条件(Adequate Restraints for Shells)

シェルモデルの変形は、各節点での3つの並進と3つの回転によって設定されます。固定(並進なし)(Immovable)と固定(Fixed)の拘束条件はシェルモデルの場合とは異なります。変位0の固定(並進なし)(Immovable)を設定した場合、回転方向へは固定されません。固定(Fixed)の条件は、全ての並進と回転に0を設定した場合です。

例(Example)

シェル要素でメッシュされたプレートについて考えます:
  • 1 つの頂点を固定 (並進なし) すると、頂点回りを回転するため、モデルは安定しません
  • ひとつのエッジを固定(並進なし)すると、エッジの周りを回転するため、モデルは安定しません
  • 1つのエッジまたは2つ以上の頂点を固定するとモデルは安定します
1 つの頂点を固定したシェル モデルを解析することは推奨されません。理論的には頂点を固定することでシェルモデルは安定しますが、数値解析で正しい結果を得られないことがあります。