多結晶質の材料 (延性材料) の場合、一般に降伏状態における一定せん断応力密度の von Mises 条件は実験データと合致する場合が幾分多いことがわかっています。しかしながら、Tresca-Saint Venant 条件のほうが実験データとより良く合致することが示される他の事例もあります。したがって、これら 2 つの手法は降伏条件の理論として等しく有効であると見なすことができます。
- 一軸応力あるいは多軸応力の状態に対しても、この 2 つの条件は同等です。
- 他の応力状態における降伏は、Tresca条件では、より低い応力値で発生します。また、等しい荷重条件においては、Tresca基準の方が、von Misesより大きな弾塑性変形を示します。
- 2 つのモデルの間の最大偏差は、純せん断条件の状態で生じます。この応力条件では、Tresca 条件によって、von Mises 応力の 87% で降伏が生じます。