サーモスタット

非定常熱伝導解析スタディにおいて、全ての熱源と熱流束の割り当ては、ある頂点に対する望ましい温度範囲として定義されるサーモスタット方式により制御することができます。各ソリューション ステップにおいて、熱量や熱流束の条件(オン/オフ)は、特定の頂点の前のステップにおける温度に基づいて決定されます。1 つのスタディにおいて、複数のサーモスタットを使用できます。

熱量あるいは熱流束が正の値であれば、このデバイスは現在のセンサー(頂点)温度が望ましい温度の最高値未満であった場合に次のソリューション ステップにおいてオンとなるヒーターの役割を果たします。そうでない場合、発熱状態はオフとなります。

熱量あるいは熱流束が負の値の時、このデバイスは現在のセンサー(頂点)温度が望ましい温度の最低値を超える値であった場合に次のソリューション ステップにおいてオンとなるクーラーの役割を果たします。そうでない場合、冷却状態はオフとなります。

サーモスタットが正しく動作していれば、サーモスタット位置における時系列の温度変化グラフは適切なソリューション時間が指定されていれば図のような振れを示すはずです。温度の振幅の上下どちらかあるいは両方のオーバーシュートが大きい場合、スタディのプロパティを変更し、時間ステップを小さくしてスタディを再実行します。

サーモスタット位置の温度が望ましい温度範囲の外側あるいは内側で収束した場合 (図のカーブ 1、2 のように)、指定されたサーモスタットは、熱源の制御において役割を果たしていません。熱源、他の熱荷重や拘束条件、材料プロパティ、サーモスタットの位置、等を変更してみてください。

サーモスタット位置の温度が温度範囲の上限あるいは下限に対して交差することなく近づいている場合(図のカーブ3、4のように)、ソリューション時間を長くしてスタディを再実行します。

サーモスタット制御の熱量の指定

サーモスタット制御の熱量を指定するには

  1. 非定常熱伝導スタディにおいて、荷重/拘束フォルダを右クリックし、熱量を選択します。
  2. グラフィックス領域で、発熱量が適用されるエンティティを選択します。
  3. 熱量 で、以下を行います。
    1. 単位 を希望の単位系に設定します。
    2. 発熱量 heatflux.png の値を入力します。
  4. サーモスタット をオンにします。
    サーモスタット プロパティ ボックスが表示されます。
    1. センサー 選択ボックスの内側をクリックしてアクティブにし、頂点を選択してサーモスタットの位置を指定します。
    2. 上限/下限の設定 で、温度単位を選択して温度の上限、下限を入力します
  5. OK をクリックします。

サーモスタット制御の熱流束の指定

サーモスタット制御の熱流束を指定するには

  1. 非定常熱伝導スタディにおいて、荷重/拘束(Load/Restraint)フォルダを右クリックし、熱流束(Heat Flux)を選択します。
    熱流束 PropertyManager が表示されます。
  2. グラフィックス領域で、熱流束が適用される面を選択します。
  3. 熱流束 で、以下を行います。
    • 単位 を希望の単位系に設定します。
    • 熱流束 heatflux.png の値を入力します。
  4. サーモスタット をオンにします。
    サーモスタット プロパティ ボックスが表示されます。
    1. センサー 選択ボックスの内側をクリックしてアクティブにし、頂点を選択してサーモスタットの位置を指定します。
    2. 上限/下限の設定 で、温度単位を選択して温度の上限、下限を入力します
  5. OK をクリックします。