電流の流れと熱の流れの類似点を利用すると、2 つの伝導媒体の界面上の熱伝達を表現する際にとても有効です。機械加工の限界のために、2 つの固体表面を押し付けても決して完全な接触は形成されません。表面の凹凸のために、接触している 2 つの面の間には小さな空気の隙間が必ず存在します。
接触している 2 つの面の間の界面を通した熱伝達には、2 つの形態があります。1 つは、固体間の接触点を通した伝導 (Q
伝導) で非常に効率の良い伝導です。もう 1 つは、気体で満たされた隙間を通した伝導 (Q
隙間) で、熱伝導率が低いために非常に効率の悪い伝導です。熱接触抵抗を処理するために、下の図のように両端の伝導媒体の間に直列に界面コンダクタンス h
c を配置します。
コンダクタンス hc は、対流熱伝導率と似ており、単位(W/m2 ºK)も同じです。ΔT を領域 A の界面上の温度差とすると、熱伝導率 Q は Q = A hc ΔT で与えられます。電気と熱の類似性を利用すれば、Q = ΔT/Rt と書くことができます。ここで、Rt は熱接触抵抗で Rt = 1/(A hc) で与えられます。
界面コンダクタンス h
c は以下の要素に依存します。
- 接触している面の表面仕上げ。
- 各面の材料。
- 面を押し付ける圧力。
- 接触している 2 つの面の間にある物質。
下の表は、標準的な表面仕上げと中程度の接触圧力(1-10 atm)における界面コンダクタンスの代表的な値を示しています。記述がない限り真空ではありません。
接触している面
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コンダクタンス(hc)(W/m2 ºK)
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鉄/アルミ
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45,000
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銅/銅
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10,000 - 25,000
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アルミ/アルミ
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2200 - 12000
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ステンレス鋼/ステンレス鋼
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2000 - 3700
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ステンレス鋼/ステンレス鋼
(真空)
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200 - 1100
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セラミック/セラミック
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500 - 3000
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下の表は、真空状態における金属界面の熱接触抵抗を示しています。
熱抵抗、R熱X10-4 (m2.K/W)
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接触圧力
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100 kN/m2
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10,000 kN/m2
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Stainless Steel
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6-25
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0.7-4.0
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Copper
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1-10
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0.1-0.5
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マグネシウム
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1.5-3.5
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0.2-0.4
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アルミニウム
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1.5-5.0
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0.2-0.4
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