充填設定(Fill Settings)では、充填時間(Filling time)、射出温度(Melt temperature)、金型温度(Mold temperature)、最大充填圧(Injection pressure limit)などの射出成形プロセスのパラメータを定義します。
充填設定(Fill Settings)PropertyManager を開くには:
- PlasticsManager でプロセスパラメータ(Process Parameters)を展開し、充填設定(Fill Settings)をクリックします。
プロセスパラメータ
充填時間
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溶融プラスチックがキャビティを完全に満たすのにかかる時間です。 部品のジオメトリおよび選択した材料の特性に基づいて、充填時間(Filling Time)が自動的に計算されます。
充填時間(Filling Time)の編集を有効にするには、自動(Auto)
を選択します。
下の詳細設定(Advanced)オプションを使用して充填プロセスを制御する場合は、充填時間(Filling Time)が自動的に再計算されます。
図では、射出圧力(Y 軸)と充填時間(X 軸)の関係が示されます。 U 字型の図は、最適な充填時間が曲線の最も低い部分であることを示します。 充填時間を短くしたり非常に長くしたりするには、高い射出圧力値が必要になります。
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樹脂温度
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射出位置(1 つまたは複数)における樹脂の温度です。
射出温度(Melt Temperature)のデフォルト値は、材料データベースから取得されます(選択した材料データ シートの樹脂の材料パラメータ(Polymer-Material Parameters)タブを参照)。
射出温度(Melt Temperature)の編集を有効にするには、自動(Auto)
を選択します。
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金型温度
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金型を加熱する温度です。
金型温度(Mold Temperature)のデフォルト値は、材料データベースから取得されます。
金型温度(Mold Temperature)の編集を有効にするには、自動(Auto)
を選択します。
金型温度(Mold Temperature)の最大値は 80 ºC です。
金型温度が一定ではなく時間とともに変化する場合は、型温プロファイル(Mold Temperature profile)を選択して金型温度のデータを入力します。
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射出圧力限界
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射出位置(1 つまたは複数)における樹脂の圧力の最大許容値です。 圧力が最大充填圧(Injection Pressure Limit)の値に達した場合、流入流量がこの限界まで自動的に抑えられて、充填時間(Filling Time)は要求値より長くなります。
マシンの能力に従って、デフォルトの最大充填圧(Injection Pressure Limit)を調整できます。
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詳細設定(Advanced)
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充填体積の充填/保圧切替ポイント(Flow/Pack Switch Point in Filled Volume)
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充填(FLOW)から保圧(PACK)への処理の変化を制御します。
充填(FLOW)の間は、圧力に関係なく、樹脂は指定された流量でキャビティに注入されます。 急速な圧力上昇とマシンが壊れる危険を防ぐため、キャビティが満たされる直前(たとえば、キャビティ容積の 95%)に、充填から保圧に切り替えるのが一般的です。
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複数の一般ゲート充填速度/圧力制御(Multi general Gate Flow-rate/Press control)
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シェル メッシュのみで、複数の射出位置に使用できます。
相当
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各射出位置に流量を均等に分散させるので、圧力が異なる可能性があります。
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自動
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圧力が等しくなるように各射出位置に充填を分散させ、ランナー システムの高価をシミュレーションします。
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重力方向(Gravity Direction): (グローバル(Global))
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重力の方向を定義します。 たとえば、Y 軸の正の方向が上向きになるようにモデルで射出成形機の方向を設定する場合、Y 軸の負の方向を重力の方向として選択します。
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流量プロファイル定義(Flow Rate Profile Settings)
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容積または時間制御に基づいて流量プロファイルを定義することにより、キャビティ充填の間の流量を制御します。 |
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容積コントロール(絶対コントロール)/マシンの最大流量による(Volume control (Absolute control)/Base on machine max flow rate)
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流量(Flow rate)またはスクリュー速度(Screw speed)の変化を、充填されたキャビティ体積またはスクリュー位置のパーセンテージに関して制御できます。 デフォルトでは、5 個のデータ ペアを設定できます。 分割数(Section num)でデータ ペアの数を増やすことができます。
流量(Flow rate)(cc/秒)または(インチ3/秒)
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体積流量を指定します。
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流量(Flow rate)(%)
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基準射出率(Reference flow rate)のパーセンテージで流量を指定します。 たとえば、基準射出率(Reference flow rate)(cc/秒)が 350 である場合、流量を 80% に設定すると、実際の流量は 280 cc/秒になります。
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スクリュー速度(Screw speed)
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スクリュー直径(Screw diameter)と併せて、流量の計算に使用されます(流量 = スクリュー速度 * スクリュー断面積)。
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スクリュー位置(Screw position)
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初期のスクリュー位置(Initial screw position)と併せて、キャビティに提供される材料の容積を定義するために使用されます。
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容積(Volume)(%)
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充填されるキャビティの容積のパーセンテージです。 最後のテーブル エントリには値 100% を入力する必要があります。
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時間コントロール(相対コントロール)/充填時間による(Time control (Relative control)/Base on filling time)
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基準流量に対する、充填時間または合計充填時間のパーセンテージのプロフィールを設定します。
充填時間(Filling Time)(秒)
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充填設定(Fill Settings) PropertyManager で設定されている充填時間が表示されます。 充填時間のプロフィール データは、絶対値(時間秒)または相対値(時間 %)で入力できます。
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流量(Flow rate)(%)
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テーブルに入力する流量(Flow Rate)(%)の値は、相互に相対的に解釈されます。 たとえば、2 つのデータ点の流量(Flow Rate)の値が 10% および 30% と定義されている場合、2 番目のデータ点の流量は 1 番目の流量の値の 3 倍になります。 各データ点の実際の体積流量は、指定されている相対プロファイルおよびキャビティの充填時間を満たすようにプログラムによって計算されます。
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マシン データベース コントロール(Machine Database)
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データベースから成形機を選択します。 この選択によって、最大充填圧(Injection Pressure Limit)およびスクリュー直径(Screw Diameter)のデフォルト値が決まります。 |
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粘弾性流体の複屈折解析(Viscoelastic Birefringence Calculation)
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複屈折解析を有効にします。 このフィーチャーを使用するには、複屈折材料パラメータの定義を含む樹脂を選択する必要があります。 |
ソルバー設定(Solver Settings)
オプション
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詳細なソルバー設定にアクセスできます。 デフォルト値は、広範なケースに対して最善の結果が得られることが証明されています。 これらの値の修正は一般に必要ありません。 |
繊維方向計算(Fiber Orientation Calculation)
プラスチック製品の強度と性能を高めるため、多くのプラスチックには繊維が含まれます。 各材料の繊維含有率は樹脂材料データベースに含まれます。 粘性係数などの材料データは、具体的な繊維 % と樹脂の組み合わせの特性を反映します。
キャビティ充填の間に、繊維は流れの方向に沿った向きになります。 これにより、製品の機械的特性と最終的な寸法に影響を与える微細構造が変化します。
シミュレーションの間に繊維の方向を計算するには、繊維配向計算(Fiber Orientation Calculation)を選択します。
重量または体積における繊維の割合(Fiber % in Weight or Volume)
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重量または体積に基づいて材料中の繊維のパーセンテージを設定します。 例: 1 kg の材料に対して繊維が 200 gr の場合は、重量(Weight)に 20 (%)と入力します。材料が 1,000 cm3 で繊維が 100 cm3 の場合は、容積(Volume)に 10 (%)と入力します。
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コインジェクション(Co-injection)
コインジェクション シミュレーションでは、2 種類の樹脂(または樹脂とガス)がキャビティに順番に注入されます。 通常、1 番目の材料がスキンになり、2 番目の材料がコアになります。 コインジェクションはガス アシスト射出成形にも使用され、その場合はガスが第 2 の材料として選択されて部品は中空になります。
材料(Material)ダイアログ ボックスで、を選択し、プラスチック データベースから 2 番目の材料を選択します。
第 2 材料樹脂温度(2nd Material Melt Temperature)
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デフォルト値は、材料データベースから取得されます(選択した材料データ シートの樹脂の材料パラメータ(Polymer-Material Parameters)タブを参照)。
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ベント解析(Venting Analysis)
標準シミュレーションでは、キャビティ内に存在する空気は無視されます。 ベント解析を使用すると、空気の影響およびそれによってメルト フロントにかかる圧力を含めることができます。
ベント解析を実行する場合は、キャビティ内の排気の場所を定義する必要があります(を参照)。 ベント解析では、キャビティ内に発生しエアベントから離れてまとまる可能性があるバブルを識別して追跡し、バブルで発生する圧力を計算します。
キャビティ内の初期圧力(Cavity Initial Air Pressure)(MPa)
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キャビティが空のときの初期空気圧は、デフォルトでは 101,325 Pa つまり 0.1 MPa です。 |
キャビティ内の初期温度(Cavity Initial Air Temperature)
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キャビティ内の空気の初期温度は、デフォルトでは室温です。 |
金型温度プロファイル(Mold Temperature Profile)
金型温度が一定ではなく時間とともに変化する場合は、型温プロファイル(Mold Temperature profile)を選択します。
絶対時間で、または合計プロセス時間のパーセンテージとして、金型の温度変化を入力します。 合計プロセス時間には、充填、保圧、冷却の時間が含まれます。
金型の温度をさらに詳細に考慮する場合は、冷却(COOL)シミュレーションを実行できます。この場合は、キャビティ、金型、冷却管の間の熱伝導が計算されます。 これらの結果により、場所と時間の両方で変化する温度が提供されます。 冷却(COOL)シミュレーションの結果は、金型温度(Mold Temperature)および型温プロファイル(Mold Temperature Profile)に入力した値を上書きします。
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プロファイルの編集/表示(Edit/Show Profile)
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射出プロセスの間に型温プロファイルを設定する場合に選択します。 時間(秒数または合計プロセス時間のパーセンテージ値)に対する金型温度の値を入力します。 |