デノイザー

デノイザーでは、製造品質イメージのレンダリング時間を大幅に短縮できます。

デノイザーは、SOLIDWORKS Visualize 2018 Service Pack 3.0 以降で使用できます。

デノイザーは機械学習に基づく事後プロセッシング技法を使用し、高速(Fast)および高精度(Accurate)レンダリング モードで作成された未完成なイメージやノイズの多いイメージからノイズを除去します。

デノイザーの使用によりパフォーマンスを向上させるには、レンダリング パス数を減らす必要があります。 たとえば、デノイザーを使用せずに 500 パスを日常的に必要とするシーンでは、デノイザーがオンのときに 50 パスを指定すると、同じレンダリング品質が得られる場合があります。 イメージの目的に応じて、デノイザーを使用することで同じレンダリング品質をより少ないパスで実現できます。 実際のパス数の削減と、それに伴うレンダリング時間の短縮は、コンピュータのハードウェアとレンダリングされたシーンによって異なります。

デノイザーを使用するためのハードウェア要件を次に示します:

  • NVIDIA® GPU(Kepler™ アーキテクチャまたはそれ以降)CUDA® 9.0 対応
  • 最低 4 GB のビデオ RAM

次のイメージは、デノイザーがオフ(左)のときと、オン(右)のときの通常の結果を示しています。



デノイザーの例

この例では、SOLIDWORKS Visualize プロジェクトを、最初にデノイザーをオフにしてレンダリングし、次にオンにしてレンダリングします。 そして、結果のイメージを確認し、レンダリング パスの数、レンダリング時間、およびイメージ品質を比較します。

ベースラインの作成

最初に、オフライン レンダリングのオプションを指定します。 次に、デノイザーをオフにした状態で、プロジェクトをレンダリングしてベースラインの .jpg イメージを作成します。

  1. system_dir:\Users\Public\Public Documents\SOLIDWORKS\SOLIDWORKS 2019\samples\whatsnew\visualize\Food Processor.svpj を開きます。
  2. 出力ツール(Output Tools) (メイン ツールバー)をクリックします。
  3. ダイアログ ボックスでは、レンダリング(Render) タブの出力ファイル(Output File)で、次の操作を行います。
    • イメージ フォーマット(Image format)には JPEG (*.jpg) を選択します。
    • 出力モード(Output Mode)にはレンダリング(Render)を選択します。
  4. 解像度(Resolution)で、次の操作を行います:
    • サイズ(Size)には 800 x 800 ピクセルを選択します。
    • 解像度(Resolution)には 96.00 ピクセル/インチを指定します。
  5. レンダリング設定(Render Settings)で、次の操作を行います:
    • レンダラーの選択(Renderer Selection)には 高精度(Accurate) を選択します。
    • レンダリング モード(Render Mode)には品質(Quality)を選択します。
    • レンダリング パス(Render Passes)には 500 を指定します。
  6. デバイスのレンダリング(Render Device)には
    • ハイブリッド(Hybrid)を選択します。
    • 進行状況を表示(Show Progress)を選択します。
  7. レンダリングを開始(Start Render)をクリックします。
    レンダリング(Render)タブが開きます。

    Visualize の終了に関するメッセージが表示された場合は、 をクリックしてメッセージを閉じます。

    オフラインでのレンダリング処理は、終了までに数分かかります。

  8. レンダリングが完了したら、経過時間(Elapsed time)がウィンドウの上部に報告されます。
    ベースライン イメージ Food Processor.jpg が自動的に出力フォルダに保存されます。

デノイザーの使用

ここでは、デノイザーを使用して、同じプロジェクトをレンダリングします。

最初に、デノイザーを初期化して使用可能にする必要があります。 デノイザーを初期化する場合、現在使用されていなくても、一定量のビデオ RAM が必要になります。 特定のレンダリングに使用するには、後の手順でオンにする必要があります。

  1. ウィンドウの左上でフード プロセッサ(Food Processor)タブをクリックします。
  2. ツール(Tools) > オプション(Options)をクリックします。
  3. ダイアログ ボックスで3D ビューポート(3DViewport)をクリックします。
  4. デノイザー(Denoiser)の下で、次の両方のオプションを選択します。
    オプション 説明
    デノイザーの初期化 デノイザーを使用可能にします。
    メイン ツールバーのボタンの表示 デノイザーの切り替え(Toggle Denoiser) をメイン ツールバーに追加します。これをクリックすれば、デノイザーのオンとオフを切り替えることができます。
  5. OK をクリックします。
  6. デノイザーの切り替え(Toggle Denoiser) (メイン ツールバー)をクリックし、デノイザーをオンにします。
    デノイザーは、3D ビューポートでのリアルタイム レンダリング用にオンになっています。

    ここで、オフライン レンダリング用にデノイザーを有効にする必要があります。 また、デノイザーからパフォーマンスを向上させるため、レンダリング パス数を減らす必要もあります。

  7. 出力ツール(Output Tools) (メイン ツールバー)をクリックします。
  8. ダイアログ ボックスのレンダリング(Render) タブで、次のオプションを設定します。
    • レンダリング設定(Render Settings)の下で、レンダリング パス(Render Passes)の値を 50 に減らします。
    • デノイザーを有効化(Enable Denoiser)を選択します。
  9. レンダリングを開始(Start Render)をクリックします。
    新しいレンダリング(Render)タブが開きます。 ヘッドアップ表示の アイコンは、デノイザーがオンになっていることを示します。

    をクリックして、Visualize を閉じるメッセージが表示される場合はメッセージを閉じます。

  10. レンダリングが完了すると、ウィンドウの上部に経過時間(Elapsed Time)が報告されていることを確認します。
    デノイザーをオンにしてレンダリングしたイメージ Food Processor 1.jpg は、自動的に出力フォルダに保存されます。
  11. 出力フォルダへのリンクをクリックします。
    お気に入りイメージの表示アプリケーションで、フード プロセッサの両方のイメージを開くことができます。 さまざまな領域でノイズの量を拡大縮小し、比較できます。 たとえば、ブレード シャフトの周囲の領域を拡大縮小します。
    デノイザー オフ

    500 パス

    デノイザー オン

    50 パス

    デノイザーを使用すれば、イメージの目的に応じて、同じレンダリング品質をさらに少ないパスで実現できます。
    実際のパス数の削減と、それに伴うレンダリング時間の短縮は、コンピュータのハードウェアとレンダリングされたシーンによって異なります。