構造的非線形性

実用的なアプリケーションに見られる構造的非線形性の主な原因を以下に示します。

幾何学的非線形性(Geometric Nonlinearities)

非線形有限要素解析における非線形性の主な原因は、構造体の幾何学的構成全体における大変位の影響に起因しています。大変位を受けている構造体は、硬化または軟化の形で構造体の非線形性の応答を引き出すことができる荷重による変形によって、ジオメトリを大きく変化させることができます。

たとえば、ケーブル状の構造は、荷重を増やしていくと、アーチがまず軟化してから硬化するスナップ スルー座屈として広く知られている硬化挙動を示します。

ケーブル状構造体
スナップ スルー座屈解析

材料非線形性(Material Nonlinearities)

もう一つの重要な非線形性の原因は、いくつかの構造的挙動の中で確認されてきた応力とひずみの非線形関係に起因しています。複数の要因によって材料特性が非線形になります。荷重履歴(可塑性問題などで)、荷重期間(クリープ解析などで)、および温度(温度可塑性などで)における材料の応力とひずみの依存関係が要因になっています。

材料非線形性として知られているこの非線形性クラスは、補助方程式を使用すれば他のアプリケーションにも適合するエフェクトを理想的にシミュレートすることができます。

地震の際の梁と柱の接合部の降伏は、材料非線形性が顕著なアプリケーションの 1 つです。

梁と柱の接合部

接触非線形性(Contact Nonlinearities)

非線形性問題の特殊なクラスは、動作中の解析に関して、構造体の境界条件の性質の変化に関心を持っています。この状況は、接触問題の解析の中で見られます。

構造体の揺れ、歯車接触、適合問題、ネジ接続、衝突体などが接触境界の評価が必要な例です。接触境界(節点、線、または面)の評価は、隣接境界上の節点間のギャップ(接続)要素を使って実行することができます。

構造体の揺れ(Pounding of Structures)