メッシュの特性は、精度の高い結果を得る上で重要なポイントです。ソフトウェアでは、2つの方法で要素の特性をチェックしています。
アスペクト比チェック
ソリッドメッシュでは、一般的に、全てのエッジの長さが等しい正四面体でメッシュ分割された場合に、 最も精度の良い解が得られるといわれています。しかしながら、一般的な幾何形状に各エッジの 長さが等しい完全な四面体要素を作成することは不可能です。小さいエッジや曲線、薄いフィーチャー、尖った角などによって、あるエッジが他のエッジに対して極端に 小さい場合がほとんどです。このような極端なエッジの長さの違いは、要素に反映し、精度の低下の原因になります。
各辺の長さが完全に一様な完全な四面体要素のアスペクト比は、 他の要素のアスペクト比の基本となります。四面体の頂点から対する面への垂線の最も短い長さ と最も長い長さの比と、完全な四面体の相当する長さの比をアスペクト比として定義します。完全な四面体のアスペクト比は1.0です。アスペクト比チェックは、4つの節点をそれぞれ結ぶ 「直線」を仮定しチェックしています。アスペクト比チェックは、プログラムによって自動的に実行されます。
例(Example)
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アスペクト比 1.0の場合
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アスペクト比が大きな場合
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ヤコビアン点
放物型要素は、曲線近似に優れているため、曲線幾何形状を持つモデルに対しては、 同じサイズの線形要素より高い精度の結果が得られます。要素境界上の中間節点は、実際の幾何形状上に生成されます。極端に尖ったまたは曲線形状では、 中間節点の配置は、それらの形状上に沿わない歪んだ要素を作っていることになります。極端に歪んだ要素のヤコビアンは負の値になります。負のヤコビアンを持つ要素は解析プログラムを停止させます。
ヤコビアン チェックは各要素にある点の数に基づいて行われます。ソフトウェアでは、ヤコビアン チェックのオプションとして4、16、29ガウス点(Gaussian points)、または 節点位置(At Nodes)を指定できます。
静解析でp-法を用いる場合は、ヤコビアンチェック(Jacobian check) を節点位置(At Nodes)にしてください。
四面体を構成する直線エッジのちょうど中間に 中間節点を持つ、放物型四面体要素のヤコビアン比は、1.0.です。ヤコビアン比は、曲率の変化によって増加します。要素内のポイントにおける ヤコビアン比は、要素のひずみの自由度を表す1つのメジャーとなります。ソフトウェアでは、要素内において指定されたガウスポイント数で ヤコビアン比を計算します。統計では、ヤコビアン比は40以下が適切とされています。ソフトウェアでは、精度の高いヤコビアンチェックを実行できるよう、 歪んだ要素の中間節点位置にポイントを自動的に配置するように調整されています。
高次オーダー シェルでは、ヤコビアン チェック(Jacobian check)に 6 節点位置を使用します。