有効な反復法に基づく増分手順では、実用的な終了手段を提供する必要があります。反復が終わるごとに、現実的な許容範囲内で収束を評価しなければなりません。広過ぎる許容範囲は、誤った結果につながります。一方、狭過ぎる許容範囲は、必要以上に計算コストを増加させます。異常な拡散をチェックすることによって、解析が拡散する前、または、プロセスが有り得ない解を探し続ける前に、反復プロセスを終了させることができます。
多くの手順に反復プロセスを終了させるための収束基準が導入されています。3 つの収束基準について以下に説明します。
変異収束
この基準は、反復中の変位増分に基づきます。次の式によって実行されます。
|{ΔU}(i)| < εd |t+Δt{U}(i)|
ここで、|{α}| は {α} のユークリッド ノルム、εd は変位許容範囲を表します。
荷重収束
この基準は、反復中の不均衡(余剰)荷重に基づきます。余剰荷重ベクトルのノルムが、加えられた荷重増分の許容範囲 εf 内に入る必要があります。つまり、
|t+Δt{R} - t+Δt{F}(i)| < εf |t+Δt{R} - t{F}|
エネルギー収束
この基準では、変位の増加中に余分な力によってもたらされる反復ごとの内部エネルギーの増分と、初期エネルギーの増分が比較されます。収束は、以下の条件が満たされたときに成立したものと見なされます。
({ΔU}(i))T (t+Δt{R} - t+Δt{F}(i-1)) < εe ({ΔU}(1))T (t+Δt{R} - t{F})
ここで、εe はエネルギーの許容範囲です。
さらに、多くの手段が拡散基準として使用されます。この手段の一つは、余剰荷重の拡散に基づきます。もう一つの手段は、増加エネルギーの拡散に基づきます。